<Second>-third :El





 もう、3度目にもなる、<アダム>を創るという意向を示した時。
当然だが、ルシは賛成しなかった。
1度目の時にも疑問を呈していたし、2度目の時も私の言葉に、それは
そうだが・・というような困った風な顔をしていた。
何となく、はっきりとは知覚しないものの、かれはそれが引き起こすも
のの気配をどこかで感じ取っていたのかもしれない。
 でも、結局。
3度共かれは、仕方ないなと折れてくれた。
ルシは私を“私”として認めて助け手を務めてくれているし、天使でも
あるかれが、ゆえなく真っ向から<神>である私の“提案”という形を
取ってはいる“希望(のぞみ)”を跳ね除けようとする事は無いが。
今回は流石に、世界の始めに幼いかれがしたように、そっぽを向いて口
をきいてくれない覚悟もしていた。
だけれどかれは、“私のその名へのこだわりに対する諦め”だけではな
く、私の示した“諦めたくない”という“希望(きぼう)”を信じてくれ
た。
 その心を、思いを。
これ以上同じようなことで傷つけることがなければいいと、願って。
私は、もう一度だけ。
 ・・・・今度こそ本当に“その名を受けるべき者”であってほしい、
 3番目の<アダム> に出会うための試みに、向かった。






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