九章よりベタ打ち推測補完入り断片。
閲覧注意。
七章分から引き続きレイフロ視点です。




























★★

冷たい綺麗な水で、シーツに色濃く染み込んでいた血臭が少しづつ薄れて
水の匂いに変わってゆく。
ホースから注ぎかけられる水で先程暴れた時に溢れた身体の表面の血が
大分流されたが。掛けるのを止めたクリスは俺の上に半身を乗せると、胸元
に近い脇腹にもまだ残っている、骨が覗く開いたままの傷に唇を寄せた。
チュ、とまるでキスしているような音が聞こえて、優しく触れて水交じりの血
を吸い取ってゆく。動物が傷を舐める手当ての仕草に近いのかもしれない
が、咬まれるのとは別の仕方で血を飲まれているような・・。
傷の無い場所の血に口接けられて、水音とリップ音が繰り返されると変な
気分がする。時折、丁寧に舌が舐め取るぴちゃりという音もして。
 ひたひたと背に触れる水の寝台の冷ややかさと、身体の上の重みと薄く
伝わる温かみ。拘束ではないけれど押えるように触れている手。
何時もと違うクリス。


★★






★★

告げた言葉に、クリスは寝台に上がり。
これ以上冷やさないようにと思ったのか、俺を向かい合わせに膝の上に乗
せて抱え直すと首筋に顔を寄せた。間を置いて、身慣れた筈の牙が食い込
む感触が、何だか切ない。
吸血に伴う独特の快感と失血の感覚が何時もより強く感じられて、心臓が
痛む。・・息が苦しい。
クリスの匂いがする。
・・・・・“抱かれて”いるようだと思うのは罪だろうか?
「はっ ア
クリス・・・」
相変わらず行儀悪く血を啜り上げる音を耳元で聴きながら、頭と肩を抱き
寄せた。
気遣うように抱えられている仕草と、濡れたシャツを通して触れる確かな
感触の本物のクリスの身体。
・・・罪でもいい。
このままおまえに全て命をやって死ねたら幸せかもしれない。
“堕とした”上に更に罪を重ねるなんて。
強がりなおまえが口でどう言っていたって、悲しむことはわかりきってい
るのに。おまえに消えない傷を残すだろうに。
・・・・・俺は、本当に酷い奴だ。
「ッ・・・
は・・・」
それでも、求められていることが嬉しい。
もう、今は何も他に考えたくない。
・・・・・クリス、クリス。
嬉しくて、悲しくて、わけがわからなくなる。
冷たい水の香りと、血の匂い。
寄せ合った冷えた身体から伝わる、仄かな温かみ。
こうして、いたい。


★★




九章「欺くプルシツは遊離を覗く」 の場面
・・・を推測補完入りで書き出してみた落書きから抜粋。
エロ気極薄+色気乗せ乗せの空気感なんて無理lllorzlll



みなどこのゆめ。
今度こそ本物だけど、レイフロにとっては“夢”ではないのかなあと。
本編この場面は心情が表記されていないのがよいのですが
あえて推測してみる。


20110818:



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