お兄ちゃんのハナシ



  [CASE BY:罪]

「ん? ああ。達哉と一緒にいた子か。
何か用なのか?
え? 木につないで…って何かって?
 ――ああ、子供の頃の話だよ。
同い年くらいの子と喧嘩したらしいんだが、あいつが悪いの一点張りでな。
向こうも怪我をしたっていうし…幸い大したことは無かったんだが、
親御さんが加減を教えてくれと言いに来るしで。
原因は言わないし、僕も怒ってしまったから腰の辺りから腹にかけてぐるぐ
ると丈夫な荷紐で括ってな、庭の木の幹に繋いでおいたんだ。
5mくらい余裕は取ったがな。
謝らないなら謝るか理由(わけ)を話す気になるまでそこに居ろ、と言って
暫く放っておいたんだが…
時々様子を窺っていた時は木の根元に座ったままむくれてたんだが、夕方、
見えないと思ったらそのまま木の上に登って眠っててな。
枝に縄の余った所を結んでて、降りる気…つまり謝る気はサッパリ無さそう
だったから、僕も諦めて抱えておろしたんだ。
 え?ああ、達哉は6つくらいだったかな。
全く、どうしてああこうと決めると…

 ん? いじめてないことは判ってるけど下手に木につなぐなんて言うと
今時マズイって?   ……忠告有難う。以後気をつけよう」


              ************


  [CASE BY:罰]

「? 聞きたい事がある?
――うん。 木につないだこと?  …あった、な。うん。
あったけど、どうして知ってるんだ?言ってないと思うんだが。
聞いた気がした?  ――またかい?
まぁいいか。

 昔、達哉が2つか3つくらいかな。歩き出すともうたーーっとどこか行っ
てしまって凄く大変だったから、たまに庭の木に紐で結んで、紐の長さしか
動けないようにして遊ばせてたことがあったんだよ。勿論そばに居たけどね。
サークル? …この場合、役に立つと思うかい?
だろ? 倒すし登るし…。危ないったら。
 まあ、それで、もう少し大きくなった時だけど…6つか7つくらいか。
一寸…何だったかな。
派手に喧嘩か何かして叱ったんだけど、全く反省して無いんで一寸怒ってね、
もっと丈夫な紐でぐるぐる腹のあたりを巻いて、やっぱり庭の木の幹に結ん
でおいてみたんだ。少しおとなしくしてろって。
 ――が。暫くしたら見えなかったんで慌てて木の所へ行ってみるとね、紐
は幹に結んであるんだが、その先に近所の猫が結んであって、ニャーニャー
って鳴いてたんだよ。
 …外さなきゃならないから、暫く大変だったよ。くしゃみが止まらなくて。
まぁ、可愛い猫だったけど。

えっ?性格読まれてるって? …‥。
確かにね。
…でもあれ結構複雑な結び方してたのに、よく解けたなあいつ。
あんまり手先器用じゃないのにな。

それにしても、昔の悪さはまだまだ可愛気があったなぁ…‥
今は…全く。ふー…」


20040806:up



 ……。何のこっちゃ?!と思われたかたもいらさいましょうが、小ネタで御
座います。罪で克兄が達哉の話をサッパリ聞いてくれずに叱り飛ばしている際
のくだりがネタ元となっています(in港南署)。迷言。
例えとして聞こえないこともないのですが、罪の克兄の場合、あの言い方は例
えというよりは…に聞こえたため、当時上記罪ネタが発生しておりました…の
を今回纏めてみました。
(同じことを考えたかた…いらさいませんか?笑; 居ないかな;
凄く「庭の柿の木」フレーズに聞こえたもので・・笑。昔の親父様風(笑)。
でも柿はもろいので柿じゃない方向で。木登りにも向きません。
ところで迷言といえば「隠れてなさい」に「この場合逆効果じゃ?;」とツッ
コミ入れたかたは居…(笑))
 罰サイドのほうは纏めるにあたって、罰だったらどうなのかな?と首を傾げ
てみたところこんなものが落ちて来ました。

 ちなみに罪サイドで尋いているのは一応栄吉ですが、お好みでギンコ、又は
二人でも可ということで(笑。その場合一行目は「子達」で)。



ひとつ前に戻るかい?/青い場所まで退却しよう。/今日は直帰だ。(表扉へ)




※ネタ元原典:ペルソナ2・罪/罰(ATLUS)。 勿論ですが個人的なお遊びの落書きにつき、ネタ元の製作会社等には無関係です。